全世界株式インデックスファンドといっても、以下の4種類に分類でき、それぞれのお薦め投資信託は以下のとおりになりますが、それぞれの特性を理解して上で、投資信託を選択して下さい。
- 全世界株式(MSCI ACWI):お薦めは『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』
- 全世界株式(FTSE GACI):お薦めは『SBI・全世界株式・インデックス・ファンド』
- 全世界株式(日本除く):お薦めは『eMAXIS Slim全世界株式(日本除く)』
- 全世界株式(3地域均等型):お薦めは『eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)』
全世界株式インデックスファンドとは
これ1本に投資するだけで、全世界の株式市場に分散投資できる投資信託になりますが、連動する指数によって中身は若干異なりますので、全世界株式に連動する代表的な指数を2つ紹介させていただきます。簡単に違いを押さえておきましょう!
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(MCSI ACWI)
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(ACWI:All Country World Index)は、米MSCI社が提供する外国株式インデックスです。世界の先進国・新興国の株式で構成されており、先進国と新興国を合わせた代表的な株価指数です。
2023年10月末現在、ACWIは47の国・地域で約3,000銘柄の株式で構成されています。国別配分比率は、米国62.3%、日本5.5%、英国3.7%、中国3.2%、フランス2.9%、カナダ2.9%となっています。
なお、ACWIは、2022年3月9日にロシアが除外されたことで、計48ヶ国構成から47ヶ国構成になっています。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE GACI)
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(FTSE:Global All Cap Index)は、英FTSE社が提供する全世界の株式市場の動向を表す株価指数です。大型株から小型株まで網羅しており、2023年10月末現在、先進国や新興国市場を含む約49ヵ国の約8,000銘柄で構成されています。国別配分比率は、米国60.9%、日本6.2%、英国3.8%、中国3.1%、カナダ2.7%、フランス2.6%となっています。
なお、FTSEは、2022年3月7日にロシアが除外され,、同年9月にアイスランドが新興国で編入されたことで、計49ヶ国構成のままです。
株価指数『MSCI ACWI』と『FTSE GACI』の比較
各指数の構成国と投資額比率で比較してみますが、世界規模の流動性ある株式市場に投資するという運用目的が同じですので、ほぼ同等の指数となります。
構成国の比較
新興国の「アイスランド」、「ルーマニア」、「パキスタン」、「ペルー」の4か国の取り扱いで構成国が異なってきますが、この4国ともに投資額比率では1%未満のため、構成国による影響差はほとんどありません。
- MSCI ACWI:「ペルー」1か国を含む47ヵ国構成
- FSTE GACI:「アイスランド」、「ルーマニア」、「パキスタン」3か国を含む49ヵ国構成
こうやって、世界地図で見てみると、ロシアが投資対象外となったことで、面積的には全世界ではなく、半世界株式のような感じになりましたが、株式市場規模が新興諸国よりも小さく流動性が低い市場は、投資対象としていませんので、これが貧富の差の現実社会ということですね。
投資額比率の比較
どちらの指数も時価総額加重型の指数で、上位11か国で投資額の約90%を占めており、その比率もほぼ同程度であることが下表より分かりますので、投資額の比率でも影響差はほとんどありません。
また、米国だけで60%以上を占めており、時価総額加重型から米国市場規模の大きさが群を抜いていることも分かります。
株価指数で運用されている投資信託での比較
実際に販売されている投資信託5つで、信託報酬とトータルリターンで比較した結果は、MSCI ACWIでの投資信託の方が優れます。
信託報酬
投資銘柄数が半分以下のMSCI ACWIの方が運用経費が低減できることから、信託報酬が安くなっており、優れています。
- MSCI ACWIでの投資信託:0.05610~0.05775%程度
- FTSE GACIでの投資信託:0.1102~0.1920%程度
トータルリターン
5年間という中期投資期間で比較してみると、MSCI ACWIの方がトータルリターンも高くなっており、優れています。
この理由として考えられるのは、FTSE GACIの投資信託は、米国ETFを投資対象としているため、米国課税10%が投資時に引かれ利益率の足かせになっていると思われます。
- MSCI ACWIでの投資信託:13.9%程度
- FTSE GACIでの投資信託:13.3%程度
全世界株式(オール・カントリー)以外の比較
『全世界株式(3地域均等型)』と『全世界株式(除く日本)』の亜種について見ていきます。
- 全世界株式(3地域均等型):投資額比率を1/3ずつ「先進国」・「新興国」・「日本」にバランスをとって分散投資します。
- 全世界株式(除く日本):日本への投資を無くし、他の「先進国」・「新興国」だけに投資します。
ポイント
全世界株式(3地域均等型)
リスク分散を地域別に均等配分して、1か国で発生したリスクを最大限分散したい方に向いていますが、トータルリターンはリスク分散の分低くなります。
全世界株式(除く日本)
既に日本株や国内インデックスファンドを運用している方が、全世界株式へ分散投資したいと考えている方に向いています。
全世界株価指数の構成国と投資比率の一覧表
参考までに、各指数の構成国と、その投資比率をまとめた一覧表を作成しましたので、参考にして下さい。
全世界株式インデックスファンドのお薦め
それぞれの全世界株価指数で運用される投資信託を選定する際は、『信託報酬0.11%以下』・『トータルリターン10%以上』・『純資産額500億円以上』の大きく3つを満たしていると投資対象として安心できますので、以下の投資信託がお薦めになりますが、この中で一つとなると、『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』が、リスク分散・信託報酬に優れますので、ほったらかしで長期運用するには適しています。
- 全世界株式(MSCI ACWI):お薦めは『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』
- 全世界株式(FTSE GACI):お薦めは『SBI・全世界株式・インデックス・ファンド』
- 全世界株式(日本除く):お薦めは『eMAXIS Slim全世界株式(日本除く)』
- 全世界株式(3地域均等型):お薦めは『eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)』
全世界株式以外の投資信託も検討されている方は、NISAで長期運用するのに適した投資信託の選び方を下のブログで紹介していますので、参考にして下さい。
S&P500インデックス投資にも興味ある方
S&P500インデックス投資と全世界株式を現在・過去・未来にわたって比較検討した以下のブログをご覧頂ければ、20年以上の長期投資には、全世界株式がお薦めな理由がわかります。
投資信託を購入する証券会社のお薦め
銀行は投資信託は扱っていますが国内外株式を取り扱っていないため、新NISAの特徴となります両方取り扱える証券会社を選択肢として検討することをお薦めします。
詳しくは、下のブログにまとめてありますので、参考にして下さい。
まとめ
全世界株式インデックスファンドを長期投資として用いることで、リスク分散と複利効果での運用益を非課税枠内で効率的に得ることができますので、何に投資したら良いか選択に迷っている方は、『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』一本から資産形成を始めることをお薦めします。・・・positive smile😊