高配当株の投資信託の中には、高い配当率を維持するため投資元本を取崩して配当するタコ足配当が気になるところですが、二つとも運用実績がないため判断できません。
そこで現在開示されている情報から内容を吟味したところ、タコ足配当よりメリットが大きいですので投資する価値は十分にあります。
両社の高配当株投資信託の比較
「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」と「SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)」の二つのファンドが、2024年9月と10月に販売開始されました。
楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)
米国で高配当株ETFとして人気の高いSCHDを投資対象としており、高水準のインカムゲインと中長期的な値上がり益の獲得を目指して運用されます。
- 投資対象:米国株の100銘柄に分散投資
- 分配金利回り:4.17%(税引後3.48%)
- 分配金の支払い:年4回(2・5・8・11月)
- トータルリターン予想:27.07%(1年)、7.81%(3年)、13.46%(5年)
- 経費率:0.192%
- 純総資産:582億円
- 購入できる金融機関:楽天証券
SBI全世界高配当株式ファンド(年4回決算型)
全世界の高配当株式を投資対象としており、高水準のインカムゲインと中長期的な値上がり益の獲得を目指して運用されます。
- 投資対象:全世界株の200銘柄に分散投資
- 分配金利回り:4.30%(税引後3.90%)
- 分配金の支払い:年4回(2・5・8・11月)
- トータルリターン予想:23.12%(1年)、8.02%(3年)、8.70%(5年)
- 経費率:0.055%
- 純総資産:68億円
- 購入できる金融機関:SBI証券
現段階での評価
大きな違いは、投資対象が全世界か米国かの違いとなりますので、長期投資のリスク分散としては全世界の方が優れますが、20年以内の中期投資先としては米国でも問題ないと考えます。
また、経費率が0.055%と0.192%と約4倍の差がありますので、1千万円を30年間運用した場合の経費は約411,000円の差となりますので、SBI証券の方が優れますが、トータルリターン予測では楽天証券が優れていますので、今後の運用実績次第となります。
双方ともに既存の高配当株投資信託より、リスク分散・分配金利回り・経費率が総合して優れていますので、購入できる金融機関が自社だけになりますが、配当株運用を検討している方にはお薦めになります。
オルカンとの比較
全世界株式での中長期的な値上がり益の最大獲得を目指す「オルカン」と比べると、SBI全世界高配当株式ファンドは、トータルリターンでは及びませんが、セクタ比率に大きな違いがありますので、両方を保有することでセクタ分散が図られ、一層のリスク分散が期待できます。
全世界株式で長期運用を考えている方には、両方を運用することで長期成長と日々の生活資金等に分配金を効率よく得られる組み合わせになる可能性を秘めてます。
まとめ
個人投資家のニーズに合わせた投資信託が出始めましたので、内容を吟味しながら良い投資商品に投資することが大事になります。
非公開の投資話は、詐欺と思って公開された投資商品で健全な投資を行い将来の夢を実現させましょう・・・positive smile😊