債券価格と金利は逆の動きをする仕組みになっていますので、昨今の米経済インフレ抑制のための高金利政策によって米国債が低価格になっています。そして今後の米経済は利下げへの流れが予想されますので、米国債価格の上昇が見込まれ、そこでの利益が望めるため魅力的な投資となっています。
債券と金利の関係
債券とは、お金の貸し借りの証拠となる「借用書」のようなもので、国や企業などお金を借りたい側は「債券」を発行し、お金の貸し手である投資家に債券を購入してもらうことで資金調達します。
米国政府が発行した債券を、「米国債」と呼びます。
債券価格とは
債券には、以下の二つの価格が存在します。
- 額面金額:償還日が来たら保有者に返済される金額のことです。
- 債券価格:債券が市場で取引される際の価格のことで、日々変動します。
例えば額面金額が100万円の債券の場合、債券価格が102万円であれば、市場ですぐに102万円で売ることが出来てしまいます。
債券価格と金利の関係
債券は金利収益を目的とした金融商品でですので、市場金利に価格が左右され、以下の動きをします。
- 市場金利が上昇すると債券価格は下がる
- 市場金利が下落すると債券価格は上がる
例えば、あなたが持っている債券の金利が1%だったとしましょう。
市場金利が2%となった場合、あなたの債券は市場よりも金利が低いため、人気が無くなり、債券価格が下落してしまうということです。
反対に市場金利が0.5%となった場合、あなたの債券の方が金利が高いため、人気となり、債券価格は上昇するということです。
米国債が魅力的な背景
下表は、米国債10年物と米10年国債利回りの推移を表しています。過去5年程度を振り返ると、米国債インデックスは2020年夏ごろまでは順調なパフォーマンス推移でしたが、その後、急速にパフォーマンスが悪化し、2022年秋にかけて大幅に下落しました(ピークからボトムまで約18%下落)。
パフォーマンスが悪化した原因は、金融緩和などの弊害で欧米諸国のインフレが大きく高進し、そのインフレを抑え込むために欧米の中央銀行が大幅な利上げに動いたためであることは周知の通りです。
また、2024年9月のFOMCで利下げに転じることが公表され、米利上げが最終局面を迎えています。そうした経済状況の変化を反映し、米国債利回りはピークアウトしている状態となっています。
債券投資は利回りの上昇が止まればプラスのリターンが期待できることから、米国債利回りの上昇が止まった可能性がある現状は、投資魅力が高まっていると考えられます。
まとめ
米国債(又は米国債ETF)の購入は、SBI証券・マネックス証券・楽天証券などで取り扱っていますが、米ドルへの両替が必要になりますので為替相場で円安状態ですと高値での取引になってしまいます。
なお、為替相場も米国金利が下がると現在の円安から円高へと推移する傾向がありますので、十分留意して投資する必要があります。・・・positive smile😊