資産形成

投資信託で分配金を受け取ってはいけない理由

お悩み人
長期投資でも毎年お金が受け取れる投資信託を買おうと思っているけど問題ある?
投資した資金の元本を取り崩して分配しているみたいなのよ!2級FP技能士に確認してみましょう!
案内者

案内者さんが話したとおりですね。投資信託の運用益以上を分配金として支払う「毎月分配型投資信託」では資産を大きく増やすことはできません。

分配金を毎年どうしても受け取りたい方は、ETF(上場投資信託)を選んで頂ければ資産を増やしながら分配金も受け取れます。続きを読んで頂けましたら、あなたもその理由が分かり、非効率な資産運用に陥らずに済むようになります。

投資信託の分配金の仕組み

「分配金あり」タイプは短期間で利益を確保できるメリットがありますが、「分配金なし」又は「再投資」タイプの投資信託に比べ、利益分が加算されませんので投資効果が期待できないデメリットがあり、以下の2種類の方式があります。

  • 普通分配金
  • 特別分配金

普通分配金

普通分配金は、運用益からだけ分配金を支払うものになります。

下図(SMBC日興証券のHPから引用)のとおり、普通分配金は運用益という利益から支払いますので、課税対象となります。

特別分配金

特別分配金は、個別元本を切り崩して支払われる分配金ですので、払い戻された特別分配金の額だけ個別元本は減少し運用資金が減ります

下図(SMBC日興証券のHPから引用)のとおり、特別分配金は個別元本を切り崩して支払う(利益ではない)ものですので、課税されません。

投資信託で分配金を受け取ってはダメな理由

毎月分配型投資信託では、普通分配金だけでは支払額が不足するため、個別元本を取り崩す特別分配金を支払っていますので、運用資金が目減りしています。

下図は、「毎月分配型投資信託」の目論見書に記述されている内容になりますが、特別分配金を出す記述がある場合は利用しない様にして下さい。

このような投資信託では、長期投資で10年以上積立てを行っても損益がプラスになる確率は相当低くなりますので、10年後に資産を引き出す段階になって、マイナスになってしまう可能性が高いのです。これでは、何のために長期投資をしているのか分からなくなってしまいます。

但し、投資信託には分配金が出ない「分配金なし」又は「再投資」タイプもあり、個別元本に運用益が加算され複利運用できますので、長期投資で資産を増やすのに適したものもあります。

分配金を受け取るならETF(上場投資信託)がお薦め

ETFは、“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれており株式だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティなどの市場指数に連動するもので、投資信託と株式の両方の長所をもった商品です。・・・つまり、投資信託と同じ指数に連動して運用され、いつでも株式市場で売買できる投資信託と思ってもよいです。

そして、投資信託の分配金とは異なり、ETFの分配金は、元本を取り崩して分配金を払い出すことはありません。

よって、長期投資として資産を増やしていくこともできますので、分配金を受け取りながら長期投資したい方には、お薦めになります。

ETFを更に詳しく知りたい方は、下のブログで解説しておりますので、是非、ご覧いただければ幸いです。

更に、高配当ETFに興味のある方は、以下のブログで日米高配当ETFのランキング付けをしていますので参考にして下さい。

分配金を受け取らないお薦めの投資信託

資産運用の目的によっては、投資運用期間が20年以上の老後資金などの場合と、10年程度の結婚資金や自宅購入頭金などの場合がありますので、それぞれに適した投資信託を紹介します。

20年以上の投資期間に向いている投資信託

  • eMAXIS Slim米国株式(S&P500):世界で最も成長が大きいS&P500投資で純資産額が大きくトータルリターンが高いため、多くの運用益を投資信託の運用停止リスクなしで安心して得たい方にお薦めです。
  • SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:世界で最も成長が大きいS&P500投資で、上記のeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の対抗馬として競い合っていますので、上記と同様に多くの運用益を得たい方にお薦めです。
  • 楽天・全米株式インデックスファンド:米国企業3,500社以上の全米株式投資のためS&P500よりリスクを抑えて米国株式に投資したい方にお薦めです。
  • eMAXIS Slim全世界株式:全世界の株式に投資するため地域別リスクを最大限に分散させて株式に投資したい方にお勧めです。

10年程度の投資期間に向いている投資信託

  • MAXIS Slimバランス(8資産均等型):全世界の株式・債券・REITに投資するため資産別及び地域別ともにリスクを最大限に分散されます。

なお、長期運用に適した投資信託について、以下のブログで解説していますので、参考にして頂ければ嬉しいです。

まとめ

投資した資金の個別元本を取り崩す仕組みを持った月分配型投資信託では、長期投資をしても運用益の増加は見込めませんので、運用している方は今すぐ見直しを行って長期投資に向いた投資信託などに変更頂ければ幸いです。・・・positive smile😊

  • この記事を書いた人

positive-smile

1961年生まれ、青森県出身、王林とルフィーが大好きな62歳です。 還暦を過ぎてから自分の人生を振り返り、体験してきた様々な経験をブログにまとめ、若い方から同年代の方々のライフデザインに役立つ情報を逐次発信しますので、宜しくお願いします。

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