分配金を出す仕組みが、投資信託とETFでは違いがあり、結論は以下のとおりです。
- ETF:資産を増やしながら分配金を受け取れます。
- 投資信託:資産元本が目減りする可能性が高く、お薦めできません。
ETFと投資信託の違いは?
ETFは、“Exchange Traded Funds”の略で、「上場投資信託」と呼ばれており株式だけでなく、債券、REIT(リート)、通貨、コモディティなどの市場指数に連動するもので、投資信託と株式の両方の長所をもった商品です。・・・つまり、投資信託と同じ指数に連動して運用され、リアルタイムの株式市場で売買できる投資信託と思ってもよいです。
そして、分配金の支払いで元本を払い戻す『特別分配金』を出す可能性のある投資信託は、資産が目減りする可能性が大いにあります。
分配金の支払いで元本が減るの?
分配金の支払い方法には、下図のように普通分配金と特別分配金の2通りがあり、特別分配金を出す投資信託は元本が必ず減少します。
ここで、ETFと投資信託の分配金の仕組みは以下のとおりであり、ETFは普通分配金だけですので、決算期間中に発生した収益から信託報酬などの費用を控除した利益からだけ払い出され、元本を取り崩すことはありません。
- ETF:普通分配金のみ
- 投資信託:普通分配金+特別分配金(元本払戻金)
元本を取り崩さず定期的に分配金をもらい、孫にお小遣いをあげたい!生活費の足しにしたい!とお考えの方の投資手段として、ETFは利用価値が大きいです。
どんなETF銘柄があるの?
分配金が多い高配当株を投資対象としているETFと、それ以外の代表的なETFを、日本の株式市場と米国の株式市場に区分して下表に整理してみました。
- MACIジャパン高配当利回りETF:MSCIジャパン高配当利回り指数に連動した日本株式の高配当銘柄に分散投資します。
- MAXIS米国株式(S&P500)ETF:S&P500インデックス指数に連動した米国株式に分散投資します。
- MAXIS全世界株式(オールカントリー)ETF:MSCI All Country World Index指数に連動した全世界株式に分散投資します。
- VYM:FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス指数に連動した米国株式の高配当銘柄に分散投資します。
- VOO:S&P500インデックス指数に連動した米国株式に分散投資します。
- VT:FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス指数に連動した全世界株式に分散投資します。
上表の米国市場と書かれているのは、米国の株式市場での売買となり、ドルに両替しての投資になりますので、為替手数料がプラスで発生します。
米国ETFを売買する際に発生する為替手数料・売買手数料・米国課税などを整理した以下のブログを参考に、あなたに合った証券会社で米国ETF運用をご検討下さい。
また、同じ指数で運用する「MAXIS米国株式(S&P500)ETF」と「VOO」の分配金利回りと信託報酬を比較すると、明らかに本家の「VOO」の方が安くなっていますが、これには上記の為替手数料などの事務費用が上積みされるためです。
なお、分配金狙いであれば、高配当ETFがお勧めになりますので、日米の高配当ETFをまとめた以下のブログで、あなたに合った高配当ETFを探してみてください。
新NISAでの高配当ETFの運用
高配当ETFの分配金は課税されますのでNISAで運用して国内課税20%を非課税(米国ETFの米国課税10%は対象外)にすると有利になります。
高配当ETFは新NISAの成長投資枠で運用できますが、お薦めは、中庸型のしっかり資産を増やしながら適度の分配金を得る方法です。
- 安定型(長期投資でリスクを下げながら大きくリターンも得る):成長投資枠1,200万円を全てインデックス型投資信託で運用
- 配当型(毎年の分配金を最大限得る):成長投資枠1,200万円を全て高配当株で運用
- 中庸型(長期投資の他に毎年の分配金を得る):成長投資枠600万円はインデックス型投資信託で、残り600万円を高配当株で運用
成長投資枠の運用方法は以下のブログにまとめましたので、運用方法を検討中に方は是非、ご覧頂ければ嬉しいです。
まとめ
長期投資を継続するためには、分配金という目に見える成果があるとモチベーションが上がりますので、ある程度の資金を高配当ETFで運用することも必要かな?と思います。そういう私も、2割程度の資産を高配当ETFで運用して入金を楽しみにしています。・・・positive smile😊